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EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM とボケ味、解像感 、手ぶれ補正(写真・映像修行記 #27)

80Dとセットで購入した便利ズームの18-135mmについて簡単な作例付き実写レビューになります。ボケの質や解像感というところを中心に説明する。

EF-S 18-135mm IS USMの簡単な感想

80Dとの組み合わせは多くの記事で書かれてるようにAFの速さは文句なしというところです。とかく一瞬であってくれるので、負担がないですね。せいぜいフォーカスエリアの選定をしっかりすることくらいです。EOS 80Dとこのレンズの組み合わせは使い勝手が大変よろしいです。もともと動画撮影を意識して買った80Dが野外でD7200より優先して使ってるのは使い勝手の良さが影響しています。

一つあれば35mmフルサイズ換算で29-210mmと広角から望遠までつかえるのですね。F値が暗め(3.5-5.6)なのでボケ味は期待してなかったけど、望遠域のボケ味はよろしいですね。

作例はLightroomにて現像をしているものです。jpeg取り出しではないことはお断りしておきます。スペックなどは公式ページを参考にしてください。

ボケ味

EF-S 18-135mm USM(135mm), F/5.6 1/250秒, ISO 100 この写真はディフューザーを使って快晴の中の太陽の強い影を拡散させております。
EF-S 18-135mm USM(135mm), F/8 1/250秒, ISO 100 この写真はディフューザーを使って快晴の中の太陽の強い影を拡散させております 。1つ目の写真とはF値が違うことに注目

上の2つの写真を見比べてみてください。1つ目はF5.6で2つ目はF8です。その他の条件は同じですね。135mmならばF/8でもボケが使えるってことです。このレンズの特徴は最短距離が39cmと寄れる望遠なので、ボケを使った花の写真を作りやすいのです。

快晴の日の日中の撮影なので、花はディフューザーで光を柔らかくしておりますが、背景はディフューザーの影響がないです。だから、コントラストが出てるボケ味になりますね。利用してるディフューザーは先日このブログで紹介した三角レフ板(リンクは私のブログ記事)です。

F/5.6ではF/8よりかよりボケてて、自然な円形で拡散してることがわかります。このときのコントラストの激しいボケがややおとなしくできています。F/8のほうは丸いボケ味ですが、ボケ量が少ないために、白っぽい明るいボケが目立ってややコントラストが付き気味になります。そのかわり、ピントの合う範囲が広くなっています。

二線ボケの傾向もないので比較的使いやすい自然なボケが使えると言えます。

前ボケと後ろボケ

EF-S 18-135mm USM(85mm), F/5.6 1/200秒, ISO 200 トリミングはしていて、一部プライバシーに関する部分はLightroomの方で修正して見えないようにしています。

これはある神社の絵馬なのですが、85mm領域での開放F値での背景のボケはこの程度です。この写真は次の写真の位置づけを意識して載せております。

EF-S 18-135mm USM(135mm), F/5.6 1/50秒, ISO 100 バランスの良い構図にしたので少しトリミングしています。また厳密にはややぶれております。

このように絵馬のところの拡大写真なのですが、135mm領域ですね。前の絵馬と一番奥の絵馬が朱色のところがうまくボケています。見ての通り、前ボケも後ろボケも自然な感じです。だからあっさり目の自己主張になっていて、ピントのあった絵馬のところがうまく強調されて撮影できています。だから主題にフォーカスさせやすい写真を撮影できます。

見てのとおり自然なボケ方をしてくれるために、ボケの取扱はたいへんしやすいレンズですね。

風景写真を意識して絞った写真

EF-S 18-135mm USM(35mm), F/13 1/100秒, ISO 100 16:9にトリミングしています。色は夕焼けがかってます。

F/13は回折の影響が強く出て絞り込みすぎたかなとは思うけど、おかげで前から後ろまで程よくピントが来ています。若干解像感は厳しいところは感じていて全体的に甘さが出てしまうのはレンズの位置づけを考えると仕方がないです。トリミング耐性を考えるとF/11までで撮影できる工夫をしたほうがいいかなという印象です。

F/13で35mm領域でピントを合わすときはだいたい3m先にピントを置くとおおよそ2mから6.7mくらいはピントが合う領域になっています。4mの位置にピントを置くと2.3mから15.4mくらいまではピントの合う領域です。この焦点距離の場合は、F/10で7mほどにピントを置けば 3.4mから無限遠までピントが来ると言うのは知っておくと良いですね。ちなみにF/13なら5m先です。18-135mmの場合は距離計がないのでAFでおおよそ7m先に置きピンして撮影するって感じですね。

EF-S 18-135mm USM(24mm), F/10 1/100秒, ISO 100

これはトリミング無しです。木が窮屈に端っこに寄ってるのは18mmでの撮影でわかりますので、少し置いといてください。これはピントを3m先くらいにおいています。そうすることで1.5mから無限遠までピントが来るようになるからです。見ての通り置くまで十分なピントが来ています。単焦点や高級レンズとの違いはどうしてもあって、ピントは結像していても甘くなります。それでも等倍で見ても結像で来てるのがわかりますね。F/10ならF/13程回折の影響を感じないし、許容範囲だろう。

EF-S 18-135mm USM(18mm), F/10 1/100秒, ISO 100

F値やシャッタースピードは2枚とも同じですね。このときは春らしいやや白っぽいパステルカラーの青空だったので、空の色を出すのが難しかったですね。無理に出そうとすると、色収差が気になることがあったので、現像処理で限界はありますね。Lightroomでも色収差や歪曲収差は18-135mm向けの設定がありますので、消えますし、実際に補正しております。DPP4でも同様に補正データが有って補正できるようになってます。このような広角域の場合は歪曲収差は樽型に膨らみがちですが、それでもこのくらいの撮影には十分ですね。

話が脱線したけど、これもピントは置きピンにして撮ってます。18mmの焦点距離になってくると、F/10ならば1.8m先にピントを置けば1.1mから無限遠までピントが合いますし、実際にそのように撮影しています。

ピントを置く位置は分かりづらいかもしれませんが、これはアプリで計算しています。アンドロイドアプリなのですが、フリーのHyperFocal Pro (google playへリンク) を使ってます。iOSでも有料のものはいくつか同様なアプリがあるようです。アプリを使わなくてもおおよその値を知っておくだけでも十分ですし、ブログで紹介されてるところがありますね。過焦点距離(Hyperfocal Distance)を検索すればいくつかあります。絞りすぎないことを意識する場合はこの知識は必要です。

手ぶれ補正

EF-S 18-135mm USM(35mm), F/8 1/20秒, ISO 800

この写真はテクスチャのものですが、構図を考えて、排水溝を適度な位置に配置しています。35mm域で1/20秒ですが、この撮影ではブレはないので結構鋭い写り方になりました。ISO800の割に立体感は出ます。色は強調気味なのですが、この辺はLightroom現像で特徴を出そうとしてるからです。35mm領域なので、フルサイズ換算で56mmになります。F/8ということでピントも一番鋭くなりやすい位置ですし、そのプラスの効果もありますね。

手ブレについては望遠域の135mmで撮った上にある絵馬の写真で書いたように、ある程度シャッタースピードを上げるようにISOを上げるほうがブレリスクは減ります。

感想

絞り切るのは厳しいなと感じたり、開放Fが暗めというのは気になることはありますが、このような昼間の野外の写真でしたら大変使いやすいと言えます。ブレも手ぶれ補正がよく効いてて、止まるのですが、それでも望遠域は気を抜いてシャッタースピードを遅くするとブレやすいですね。広角域はさほどきにすることはないですけど。

とくにEOS80DとはAF速度で相性がかなり良いらしく、本当に良いです。動画撮影でも使えることを意識したレンズなのでAFもかなり静かです。(よく聞けば音が聞こえる程度) 動画撮影のときは日中の撮影は絞り込む必要が出てきますが、すごく甘い動画(私が撮影した例ですが、F/16のものです。) になりますので、動画撮影でのNDフィルターは必須と考えてます。

風景的なとり方をしようとする場合は距離窓がないことが残念かなと思う程度ですが、工夫で使えます。

最終更新日 : 2021-01-24